2021年8月、イスラム原理主義組織タリバンによって制圧されたアフガニスタン。
カブール掌握後初の記者会見で、タリバンの報道担当幹部は女性の権利は「シャリア(イスラム法)の枠組みの中」で尊重されると発表したが、その真意はまだ明かされない。世界が懸念する中、本作ではカブールで生きる、リアルな彼女たちの生活が映される…。
義父母の面倒を見ながら家事に追われる孤独な妊婦。7年間浮気し続けた夫と離婚を決意するも、妊娠が発覚した高学歴のテレビニュース・キャスター。妊娠したと同時に姿を消した恋人がいながら、いとこのプロポーズを受け入れた18歳の少女--年齢、生活環境、社会的背景が異なる3人のアフガニスタン女性が初めて直面する人生の試練をそれぞれ描いたオムニバス・ドラマ。本作はアフガニスタン映画機構(Afghan Film)初の女性会長を務める新鋭、サハラ・カリミの長編監督デビュー作にして、ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門出品となった。
タリバン政権下になり、彼女たちにどんな影響があるのか、さらなる試練を考えずにはいられない…。
今、世界が注目する、アフガニスタンを舞台にした女性たちのドラマ。

アフガニスタンの首都カブール。妊婦のハヴァは認知症を患う義母の世話をしながら、家事に追われる日々を送っている。身重の彼女を気遣うことなく、用事を言いつける義父と、連日のごとく友人を自宅に招き入れる夫。そんな彼女の唯一の喜びは、お腹の中にいる子どもと話すことだけだった。一方、ニュースキャスターのミリアムは結婚していた7年もの間、浮気三昧だった夫と離婚しようとしていたが、妊娠していることが発覚する。復縁を懇願する夫ファリードにうんざりしながらも、仕舞い込んでいたウエディングドレスを手にするミリアム。そして、結納の日を迎えたアイーシャには家族に言えない秘密があった。問題を解決するため、友人のマルジェに協力を仰ぐアイーシャだったが、そのためには多額のお金が必要だった。彼女たちが時同じくして向かった場所とは……。

監督 サハラ・カリミ

脚本 サハラ・カリミ
サミ・ハシブ・ナビザダ

撮影監督 ベッフルーズ・バドロージュ

録音 アスカール・アーブグーン

録音監修 モハマッド・レザー・デルパク

編集 マスタネー・モハジェル

音楽 サバ・ネドイ
アリ・タヴァコリ

プロデューサー カタユーン・シャハビ
サハラ・カリミ

原題 Hava, Maryam, Ayesha

配給 NEGA

伝統に縛られた社会での生活を変えようとしている同胞の女性たちについて語ることは、アフガニスタン出身の女性映画製作者としての私の使命です。アフガニスタンの多くの町や村を回り、 ハヴァ、ミリアム、アイーシャのような女性たちの実話を見つけました。ハヴァはアフガニスタンの主婦、ミリアムは知的で学のある女性、アイーシャは中産階級のティーンエイジャーです。彼女たちは家父長制社会に屈服しないように努めています。彼女たちの選択は、あらかじめ決められた人生への抵抗です。私が目指したのは、何年も声を出すことができずにいたけれども、運命を変える覚悟ができた女性たちの人生について語ることです。

サハラ・カリミ (監督・共同脚本)

繊細に作られた感動的な映画で、現代のアフガニスタンの若い女性たちの生活を描いています。
この映画は、結婚、愛、友情、家族、母性を通したアフガン女性の優しさ、美しさ、精神を示しています。
アフガニスタンで製作された映画はすべて、困難に立ち向った勝利の証です。

アンジェリーナ・ジョリー Variety紙(アメリカ/2019)

誰にも悟られないように、
我慢強く、
静かに、
力いっぱい押す。

そんな目には見えない女性たちの強い意志が
映像を通して伝わってくる。

鶴田 真由

アフガニスタンという国を、女性ならではの視点で観ることで、違った表情が生まれる。
繊細な彼女たちの目に注目してほしい。目に宿る言葉、感情が切なく突き刺さる。
アフガニスタン国内で撮影できた奇跡、今はもう、こういう作品を撮ることは出来ないだろう。
葛藤と母性に溢れた奇跡の一作です。
遠くに感じてしまう彼女達が隣人となる瞬間を、アナタの心に刻んでほしい。

サヘル・ローズ

青森県 青森松竹アムゼ 2022年7月8日~

新潟県 新潟・市民映画館シネ・ウインド 近日公開

東京都 アップリンク吉祥寺 上映終了

神奈川県 シネマジャック&ベティ 近日公開

長野県 松本CINEMAセレクト 2022年7月10日

愛知県 名古屋シネマテーク 上映終了

大阪府 シネ・リーブル梅田 2022年5月27日〜

京都府 アップリンク京都 2022年5月27日〜

広島県 横川シネマ 近日公開

兵庫県 元町映画館 近日公開

福岡県 KBCシネマ 2022年8月30日